遠いあの日、心に誓ったことがある・・・

幼い頃から抱いていた家づくりへの憧れ!熱い想い!・・・

それは母との大切な約束・・・。
それが家づくりをする私の原点。
 

私が産まれ育った田舎の家は、小高い丘の上にあって、
外観はお城を思わせるようなりっぱなお家でした。

でも、農家住宅で屋根や外壁はいつ壊れても
仕方がないほど傷んだ、100年近く経った古いお家でした。

お風呂もトイレも、外にあって、使い勝手は
とても不便で、冬の寒い夜などは隙間風が冷たくて、家族みな身体を寄せ合うようにして暮らしていたものです。

「いつか、このお家より、もっとりっぱなお家を建ててあげる!」

それは・・・
遠い・・・幼い頃、私が誓った母への大切な約束でした。

二度の大きな挫折 

やがて私は学校を卒業すると同時に印刷会社に勤めていましたが、25歳のときに、ある先輩の誘いで不動産業の世界に足を踏み入れることになりました。
不動産会社に務めながら、たくさんの不動産取引をさせていただく中で、自分が家に対してあまりにも無知だったために住宅の買い手さんに大変な迷惑を掛けてしまったことがあります。

それは、ある中古住宅での取引のことです。取引が済んで引き渡しも終わってしばらく経ってからのことです。
20数年経ったそのお家は雨漏りがひどいお家だったのです。買主の怒りは尋常ではありません。売主は「見てから買ったのだし、価格も負けたじゃないか!」と、取り合おうとはしません。板ばさみの私は、話を収めるまでに随分と苦労して、大変、苦い思いをしたものです。